源氏物語や紫式部日記、紫式部家集などを基に
タイトル通り、紫式部がひとり語りしている。
基になっている和歌や資料をどう解釈するか
作者の理解と腕の見せどころではあるが
平安時代を垣間見ている感じがして
個人的には楽しんで読めた。
こういうの結構好きかもしれない。
一.会者定離 雲隠れにし夜半の月
二.矜持 男子にて持たらぬこそ、幸ひなかりけれ
三.恋 春は解くるもの
四.喪失 「世」と「身」と「心」
五.創作 はかなき物語
六.出仕 いま九重ぞ思ひ乱るる
七.本領発揮 楽府という書
八.息子誕生 秋のけはひ入り立つままに
九.違和感 我も浮たる世を過ぐしつつ
十.女房 ものの飾りにはあらず
十一.「御堂関白道長妾」戸を叩く人
十二.汚点 しるき日かげをあはれとぞ見し
十三.崩御と客死 なほこのたびは生かむとぞ思う
終章.到達 憂しと見つつも永らふるかな