単行本で並んでいたときから気になっていたが、
意外にも早く文庫落ちしたので早速読んでみた。
平安中期、最も華やかであった時代、藤原彰子の物語。
というより中宮彰子の方が通りがいいか。
道長の娘であり紫式部が仕えた中宮として有名だが
中宮であった期間はそれほど長くはない。
一条天皇は賢帝であり幼くして入内した彰子も優しく包み込むが、
中宮定子への寵愛の方が大きく、中宮彰子もそれは感じとっていた
中宮定子は皇子を産むが後ろ盾を失い凋落して亡くなるが、
その遺児を引き取り国母として生きていく気持ちを固めたところで
のちに後一条天皇となる敦成親王を懐妊する中宮彰子。
その皇子を産む直前までが上巻。
平安貴族の華麗なる生活の裏側が描かれていて
決して明るい話ではないけれど、グイグイ惹き込まれて一気に読破。
作者の力量を感じる作品。
望月の章
初花の章