時事ネタにもなるせいか大型書店に平積みされていた一冊。
著者は現在は大学教授だが経産省で世界を飛び回っていた人で
現場を見て知っている分だけ話の内容にも説得力がある。
基本的には大学の講義で使っている資料が多いようだが、
表現も平易だしグラフや図表が多く読みやすいしわかりやすい。
国際政治の背景に対する理解も進むし、最近には珍しい良書だと思う。
なんかの賞とか取っても不思議ではないな。
序 章 激動する世界の資源エネルギーを俯瞰する
第1章 エネルギー戦略の基本的視座
第2章 ロシア エネルギーを武器に世界を翻弄する超資源大国
第3章 ドイツ 脱ロシアで揺らぐ再エネ先進国のエネルギー戦略
第4章 アメリカ シェール革命による自給達成と大統領ごとに変わるエネルギー外交
第5章 中国 ロシアと連携を深めつつ、再エネ産業で世界を席巻する世界最大の消費国
第6章 EU(ヨーロッパ) 地球温暖化対策と脱ロシアに対峙するEUの原発と天然ガス
第7章 インド 世界1位の人口と経済成長を支えるエネルギー確保が課題
第8章 東南アジア、オーストラリア、ブラジル 日本のエネルギー安全保障を支えるパートナー
第9章 中東 自立を強めロシア・中国と結びつく世界最大の油田地帯
第10章 日本 隣国の脅威の中で求められる安全保障と産業競争力を強化するエネルギー戦略
終 章 GX、再エネの推進は、国防への貢献